論文

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応能負担の税制改革こそ国民の願い
2006年9月9日
税経新人会全国協議会第42回埼玉全国研究集会

今年、国民の怒りが爆発した。「高齢者怒る住民税増 負担8倍『香典も出せぬ』」の見出しに続き、「前年度に比べ、収入は変わらないのに10倍前後に跳ね上がった人もいる。今月始まった通知で、初めて増税を知った高齢者から問い合わせや苦情が殺到、電話が長時間つながらないなど窓口の市町村では混乱が起きている」と6月18日付の朝日新聞が報じた。

また、今年の確定申告でも年金生活者の所得税増税に怒りが噴出し、消費税免税点1,000万円への引き下げで、消費税を転嫁できない納税者が消費税納税で苦しんでいる。

この怒りの爆発は、税金の集め方の原則である応能負担の税制を破壊し、負担能力のある大企業や高額所得者・大資産家には減税を行う一方、負担能力のない国民や中小企業には消費税や所得税の増税を行ってきた結果である。この怒りを鎮め、国民生活を安定・向上させていくための税制改革は、応能負担の税制を再構築していく以外にないのである。
しかし、政府は7月7日に「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2006」(いわゆる骨太の方針2006)を閣議決定し、さらなる社会保障の削減と応能負担に逆行する消費税の増税を打ち出した。そして、「消費税を社会保障財源に」「社会保障目的税に」との殺し文句で、国民を消費税増税に引きずり込もうとしている。政府税制調査会も自民党税制調査会もこの「方針」に同調し、所得税・住民税の各種控除の縮小・廃止と消費税率の引き上げで、さらに応能負担の税制を破壊する計画である。

「財政再建」を増税の口実に使っているが、財政赤字の原因になったムダな公共事業など税金のムダ遣いにはまともにメスをいれず、また租税法律主義の原則を無視した法「改正」で負担能力の乏しい中小会社に新たな増税を行った。

消費税増税の本当の目的は、日本経団連など財界が企業の社会保障負担の軽減と法人税率引き下げによる減税を求めているところにある。これでは国民・中小企業の怒りを、ますます買うばかりである。

消費税の大増税計画を推し進めようとしている政府・与党は、増税反対の根強い国民の声に直面し、選挙での審判を恐れ四苦八苦している現状でもある。

税経新人会全国協議会は税の専門家として、暮らしや経営を良くしたいという国民や中小企業の切実な願いを実現するために、消費税などの庶民増税ではなく、応能負担の税制改革を強く求めるものである。

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