リンクバナー
時潮

時潮
参議院選挙を目前にして
番号制特別委員会委員長 奥津年弘
参院選は7月21日投票になる見通しです。衆議院の解散・同時選挙の可能性もありますが、いずれにしろ今回の国政選挙は、重要な分岐点です。森友・加計問題から始まり公文書の廃棄・隠ぺい・改ざんなど安倍政権の数々のうそつき・でたらめは数しれません。しかし政権は倒れません。そのため、国民を見透かしたように、さらにでたらめを重ねています。政権が続く限り、本当の国益(大半の国民にとっての平和にくらす権利と民主主義)は失われ続けます。多くの国民が、不安に感じつつも、まだ決定的に悪くならないだろう、と思っているのではないでしょうか。あと1 か月余は、私は多くの人に安倍政権はダメだという候補者に投票してもらうよう話していきたいと思っています。最近のでたらめ・末期症状についてふれておきます。
line
1. 国民の生活などこれっぽっちも考えていない

報道機関などが加盟する日本世論調査会が、世論調査(6月1日2日実施)の結果を発表しました(6月9日東京新聞)。それによると10月の消費税増税に反対する人が59.7%、賛成が37.7%。またポイント還元など対策については61%が反対。景気の現状を悪化傾向とみる人は57%に上りました。消費税率引き上げに対し国民はまったく納得していません。一方で、金融庁が6 月3 日公表した「高齢社会の資産形成に関する報告書」では、年金だけでは老後の資金を賄えず、95歳まで生きるには夫婦で2千万円の蓄えが必要になる、計画的な資産形成をするよう促しました。まったくの無責任です。公的年金資金を株式市場に投入し損失で取り返しがつかなくなったのか、もう投入が限界で、株価を支えるには、さらに国民の預金を「投資」させることなのか。いずれにしろ消費税を社会保障のため引き上げるといったことが、いかに方便だったかを露呈しました。
line
2. 財政再建もまったく考えていない

4月9日航空自衛隊最新鋭ステルス戦闘機F35A が岩手県沖に墜落しました。6月3日操縦士と機体の捜索を打ちきりました。原因も解明されていません。それでも5月28日訪日したトランプ米大統領に対し、護衛艦「かが」で、空母化と欠陥F35の大量導入を再度明言しました。F35導入について、政府は当初地上配備用A型42機の取得を決めていましたが、2018年12月、トランプ米大統領の要求に応え、一気に147機へと増やしました(A型105機、垂直離陸B型42機)。A型価格を1機約116億円(B型非公表)としていますが、1機分116億円があれば、4000人分の保育所や900人分の特別養護老人ホームの建設が可能とされています(しんぶん赤旗5月20日)。

自動車など輸出産業を守るため兵器のいいなり購入と国内農業の犠牲(参議院選挙後まで内容は明らかにしない)で、財政も国民生活も犠牲にすることになります。また安倍政権が2018年1年間で使った官房機密費の合計は、12億3847万円で、6年間では、総額約74億円で、毎月、国庫から約1億円を使用していることになります。内9割の「政策推進費」は検証するすべはありません。
line
3. 情報の改ざん・隠ぺい・廃棄と憲法「改正」

6月7日海上自衛隊が公文書管理法に基づく手続きをしないまま、特定秘密に指定されている文書100 件を廃棄していたことが明らかになっています。結局、秘密とされた文書は表に出ないうちに廃棄されています。8日には、地上配備型ミサイル迎撃システム「イージス・アショア」の設置となる根拠も「誤って」いることが発覚しています。官房長官の記者会見でも政権に鋭い質問をする特定の記者の質問を制限したり、記者クラブや新聞社に圧力をかけたりと、露骨な統制を行っています(日本民主法律家協会「法と民主主義」2019年5月号参照)。自由民主党は、今度の参議院選の公約として「早期の憲法改正を目指します」としています。こんな内閣に憲法「改正」をいう資格のかけらもありません。参議院選挙の結果に悔いることなく心して臨みましょう。

(おくつとしひろ:東京会)

▲上に戻る